PROJECT
プロジェクト詳細
メッシュ回転生物反応器とバチルス菌を用いた排水処理技術
- sdgs06
- sdgs07
- sdgs14
「新しい排水処理技術」とは
開発した技術は従来の排水処理である活性汚泥法と回転生物接触法をさらに進化させた排水処理技術です。「メッシュ回転生物反応器」と高濃度に優占培養された「バチルス菌」を組み合わせることで、在来菌では処理できなかった窒素、悪臭の除去、高濃度排水の処理等の諸問題を解決できます。さらに省エネ・省コストも実現する画期的な有機系排水処理技術です。
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メッシュ回転生物反応器(MRBR)の効果
メッシュ回転生物反応器に採用している立体プラスチックメッシュディスクは比表面積が大きく、活性汚泥を大量に保持することができるため、COD(化学的酸素要求量)に対する高い浄化性能をもつことがわかっています。 またメッシュ回転生物反応器の活性汚泥を最新の遺伝子解析で分析した結果、窒素成分を除去する細菌を多く保持しており、窒素除去性能も高いです。 このような特長をもつので、食品分野や下水分野のほか、化学分野の排水処理への適用も始っています。
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バチルス菌の効果
バチルス菌は曝気槽へ1回のみ投入し、空気量のコントロールと微量の活性剤の投入により増殖させます。既存の在来菌と共存し、在来菌に対し1~10%程度存在すれば「排水処理機能の改善・向上」「臭気成分の分解・窒素除去」「負荷変動に対する耐性」「固液分離の向上」のような効果が得られます。
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2050年カーボンニュートラルに向けた対策に
微生物への酸素供給は通常ブロワの送風により行い、その電力消費は排水処理の約50%を占めます。メッシュ回転生物反応器では接触体を低速で回転させることにより、大気中より酸素を取り入れます。そのため、大量の空気を吹きこむ必要がなくなり、ブロワの電力消費を削減することができ、CO2排出削減に効果があります。
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メッシュ回転生物反応器とバチルス菌を用いた排水処理技術の概要
活性汚泥法と回転生物接触法を進化させた排水処理システムであり、バチルス菌をメッシュ回転生物反応器及び曝気槽内で増殖させる事によりBOD(生物化学的酸素要求量)・COD(化学的酸素要求量)・N-Hex(ノルマルヘキサン抽出物質含有量)・T-N(全窒素)・T-P(全リン)等を効率良く除去し、更に悪臭までも除去する画期的なシステムです。
メッシュ回転生物反応器(MRBR)について
メッシュ回転生物反応器では従来の排水システムに採用されているプラスチック板の代わりにヘチマ状の立体プラスチックメッシュディスクを接触体として採用しています。
接触体の約40%に排水を浸し回転すると接触体の表面に微生物を含む活性汚泥が付着し、付着した活性汚泥は空気中から酸素を吸収し、排水から汚濁成分や有機物を取り込み、そして分解し、排水を浄化します。
バチルス菌について
環境中に存在する一般的な細菌であり、身の回りにも数多く存在します。既存排水処理施設の活性汚泥を構成する細菌の一部としても存在し、他の細菌とも共存しております。微生物学的には芽胞形成菌と呼ばれており、栄養条件が整えば成長し、貧栄養状態になると胞子を形成し休眠状態に入ります。胞子の状態時は、高pH、高温、低温、高塩濃度といった様々な悪条件にも死滅することなく身を守る特性があります。